給与と役員報酬にはいろいろな違いがあります。どちらにもメリットとデメリットがありますので、それぞれの特徴について紹介します。
役員報酬を受け取る人について
役員報酬が支払われる人は、会社の役員のみです。具体的には、社長や取締役などがこれにあたり、経営に従事している範囲内の人が対象となります。給与の対象者は、その会社で働いている従業員です。役員報酬と給与のどちらか一方のみを受取ることになり、どちらも受け取ることはできません。
また、給与も役員報酬も所得税を計算する際には同じ扱いになります。どちらも、給与所得として計算することになります。
役員報酬の特徴と給与との違いについて
一般的な会社の場合、毎月給与が支払われます。会社によって金額に違いがありますが、基本的に毎月支払われます。役員報酬は、基本的に一年に一度支払われるため、ここにも大きな違いがあると言えます。ただし、月ごとに分けて支払われる場合もあります。
毎月分けて支払われる場合は、金額が均等である必要があります。なぜなら、月々の支払額が同じでなければ、損金算入ができなくなるからです。簡単に、金額を増減することはできません。
給与は、その会社で働いた労働に対してお金が支払われる考え方になっていますが、役員報酬はこれとは違い、業績に対して会社から支払われます。また、金額についても自由に決めることができません。株主総会によって、決められます。そのため業績が良ければ報酬額も多くなりますが、良くない結果の場合は報酬額が下がってしまうこともあります。
役員報酬のメリットとデメリットについて
役員報酬は、給与と異なり安定的な金額を得ることができないところが、気になるところかもしれません。業績が悪くなってしまえば、金額が下がってしまうリスクがあるからです。
しかしながら、結果を出すことができれば、金額もそれに応じて上がりやすいと言ったメリットもあります。これが、やる気やモチベーションへとつながるところも良いところだと言えるでしょう。
このように、給与と役員報酬にはいろいろな違いがあります。もちろん、役員報酬は限られた人だけが対象となりますが、給与とは違ったメリットとデメリットがあることがお分かりいただけたでしょう。